安藤健一君(高校5回生)を偲ぶ

福岡支部 顧問 越智 秀則(高校5回生)

 今年の総会は、新しい年号が「令和」と定まり、初めての記念すべき総会である。
 ただ、この総会に福岡支部設立の功労者「安藤健一君」の姿を見ることができないのが残念でならない。

 安藤君とは、高校5回生の同期であったが、在学中はクラスも違い、部活動も違い、特に親しいという間柄ではなかった。二人が互いを「健ちゃん」「おっちゃん」と呼び合う友となったのは、彼が五洋建設株式会社の福岡支店 副店長として、福岡の地へ赴任してからのことである。

写真左 越智秀則さん 写真右 故 安藤健一さん 


 高校卒業以来、実に40年ぶりの再会であったが、同期の八尋弓夫君らと共に会食や酒を酌み交わしながらの語らいが同期の絆を深めていった。彼の古里を愛する思い、母校を愛する思い、福岡支部を立ち上げたいという熱意に心打たれ「彼とともに汗をかく」決意をしたことが昨日のように蘇ってくる。

写真左から 故 安藤健一さん・越智秀則さん・大久保さん・八尋弓夫さん

 思えば四半世紀を経ての平成最後の第25回という節目の総会が「支部作りという井戸を掘る作業で最初のツルハシを打ち込んだ男」安藤君の最後の出席となった。昨年の総会での彼は、支部活動の過去を顧みての思い出、代替わりする年号への興味、新年号下での新たな支部活動に期待を寄せるなど支部への思いは相変わらずであった。
 そんな彼が新年号が「令和」と定まったことを知る故もなく11月22日に忽然として黄泉への旅立ちをしてしまった。

 新年号「令和」の典拠となった「万葉集」「梅花の歌」の序文にある

  初春の令月にして氣淑く風和ぎ
  梅は鏡前の粉を披き
  蘭は珮後の香を薫す

の一文が福岡と縁のある太宰府の地で詠まれたものと知れば、安藤君は、新元号「令和」にどんな思いをしただろうか。彼とも意見交換してみたかったのだが‥。残念です。

2019年6月22日 第26回 同窓会福岡支部 総会・懇親会
配布冊子内寄稿文より 転載