新刊書「現場 記者たちの九州戦後史」の紹介

昨年11月 西日本新聞社から出版された『 現場 記者たちの九州戦後秘史 』は、西日本新聞社のOB・OG記者や現役記者47人による全52話からなっており、初代福岡支部長である石﨑憲司さん(高校4回生)がOB記者のひとりとして執筆されています。

大先輩である石﨑憲司さんの記事の紹介や感想などを小川支部長から文章を寄せていただきました。

福岡支部長 小川民夫(高校20回生)

本書は、昭和、平成、令和と時代が過ぎ、時とともに忘れられがちな戦後日本の歴史の舞台裏を、現場を駆け回った記者の目で明かされるとともに、真実を伝えたジャーナリストの生きざまと熱い思いが、実に興味深く語られています。

石﨑先輩が執筆された『北九州5市合併』の話は、私たち団塊の世代の者すら知らないことばかりで新鮮な気持ちで読みました。この合併の話は、明治のころから幾度となく出ては消えた話であったことや、当時100万都市を実現させることは、国連が関心を持つほど気宇壮大な事業であったことなど初めて知りました。

特ダネは、記者としての最大の評価でありもっとも誇りとするところでしょうが、特に大手全国紙に先んじて西日本新聞社が報じるため、議決が行われる本会議の時間を変更させた経緯は、先輩が「合併取材の最後の夕刊勝負で朝日・毎日をねじ伏せた瞬間は終生忘れることができない」とおっしゃる通りの大スクープだったのです。後年、田中角栄番記者として辣腕を振るわれる先輩の真骨頂の礎は、この頃から備わっていたのかと思いました。

本書は、そのほかにも興味をそそる話が満載です。
昭和を生きた私たち‥。ともすれば忘れられようとしている昭和、特に戦後日本の歴史を忘れずに、もっともっと子どもや孫たちに語り継いでいきたいと思いました。
同窓の皆さんにも是非読んでいただきたい一冊です。

【 参考:2021年7月1日現在 】
  西日本新聞社オンラインストア
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